埼玉県さいたま市に拠点を構える、
本澤税理士事務所は会社設立支援や税務相談を中心に、スタートアップからその後の円滑な会社運営のサポートを行っております。
今回は、会社設立時や新しい事業立ち上げ時にお悩みする「資金調達」の方法のひとつ、
「出資」に焦点を当て、個人投資家やベンチャーキャピタルから出資を受ける方法を詳しく紹介いたします。
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出資先を特徴を知り、出資を受ける計画を立てよう。
会社設立や事業設立のための資金調達方法として、
出資を受ける・融資を受ける・自己資金という方法がございます。
出資と融資の最も大きな違いとして返済義務の有無がございます。
融資の場合は、必ず返済をしなければならず、
出資の場合は、返済義務はございません。
また、出資先の規模、出資額、目的によって、出資先の種類も分かれます。
会社設立時や事業設立時の出資先として、
・ベンチャーキャピタル(VC)
・個人投資家(エンジェル投資家)
2つの出資先がございます。
下記のブログでは、より詳しく出資先の特徴を記載しております。
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個人投資家から出資を受けるためのステップ
今回出会うべき個人投資家は、
一般的な「安定かつ継続的な」利益を狙う個人投資家とは異なり、
投資企業が上場や売却をした際の、株式売却差額でのインカムゲインを狙うエンジェル投資家と出会う必要があります。
エンジェル投資家が出資する先は、投資家により考えは様々ありますが、
過去には会社設立前の事業に対し出資を行い巨額の利益を得たケースもございます。
AppleやFacebook、Microsoftなども、その一つの例です。
会社設立前のかなり早期に出資を得ることはハードルの高いことではありますが、
しっかりとした市場分析や事業計画をたて、経営者の確固たる事業に対する思いや経験によっては、
出資を獲得できるケースもございます。
エンジェル投資家と出会う方法
エンジェル投資家と出会う方法としては、
・紹介
・イベントに参加
・直接コンタクトを取る
・マッチングサービス
の4つの方法があります。
最も双方ともに安心して出会える方法としては、
投資家や出資を受けたことのある企業からの紹介でしょう。
ただ、そう簡単に紹介を得るご縁があるわけではありませんので、
エンジェル投資家とマッチングを行っているセミナーイベントに参加する方法や、
エンジェル投資家が主催するビジネスコンテストを活用して投資を受けること、
「この人に投資してほしい」という具体的な希望があるなら、直接SNSやホームページでのコンタクトを取ってみることも有効です。
エンジェル投資家との面談に必要な書類
そもそもエンジェル投資家と話し合う上で書類の必要可否は、出資してもらうエンジェル投資家次第です。
エンジェル投資家が評価をする点が、
人そのものの魅力場合もあれば、事業を評価してもらう場合もあるからです。
エンジェル投資家の場合、投資の判断は個人の価値観によって様々になります。
そのため示すべきポイントも、その相手に合わせて変える必要があるという事です。
ただし、事業を評価していくエンジェル投資家の場合は事業計画書が必要となります。
主な事業計画書の要素が下記となります。
会社概要及び経営者の略歴
事業の背景・目的
事業内容(事業概要・サービス・ターゲットなど)
市場規模・競合
収支計画・資金計画
エンジェル投資家が重視するポイント
経営者の素質
エンジェル投資家もあくまで投資家ですので、当然成功する可能性の高い計画に投資したいと考えます。
ただし、銀行やベンチャーキャピタルと異なり、
リターンの確実性だけでなく、事業そのものの実用性、将来性や人情といった情報にも左右される傾向があります。
そのため、具体的に何をする会社なのかという事業計画だけでなく、
自分は成功する能力がある人間だということを、
経営者自身の経歴やスキル、事業をするに至った背景や目的などがアピール材料となります。
事業の将来を見据えた計画性があるか
事業計画としては、
詳細な事業内容、サービス、ターゲットのペルソナなど、具体的な内容を伝えていきます。
サービス内容が、
ターゲット層に本当に求められているのか、今後求められるようになるのかが重要となります。
単純に今現在流行しているからではエンジェル投資家は投資してくれません。
これからのブームを作っていくような、将来性のある事業であるということをアピールができるデータを集めましょう。
市場規模やその中での立ち位置を考えているか
市場規模と競合相手をどれだけ調べているかということもポイントとなります。
基本的には、
・市場規模が小さい
・競合相手が多い
この業界ではあまりいい印象は抱かれにくいです。
ただマイナス要素ばかりではなく、
市場規模が小さいなら、今後その業界が伸びることを予測するデータを集めて補うこと、
競合相手が多いのであれば、競合相手が気付いていない革新的なアイデアを提示できれば説得できる可能性もあります。
将来性がある実現可能な計画を立てているか
エンジェル投資家にとって、企業がどのような計画で出口戦略(上場や事業売却)を考えているかが重要なポイントです。
また、出口戦略を考える上でも、その企業の事業規模がどこまで拡張するかという点も重要視しています。
甘い数値で計画を立てていればはすぐに見破られてしまいます。
実際に、税理士や会計士による見積もりを取ることや、収支計算の根拠を書いておくなど、
実現性の高い数値であることをアピールしながら勝負していきましょう。
エンジェル投資家との交渉
エンジェル投資家は、企業の成長を感じるからこそ出資を行います。
起業したての時期は、
ビジネスに対し熱い思いを持ち、事前準備として業界の知識は豊富でも、経験がなく財務や法務は手薄になってしまっていることも多いです。
また、自社の事業やサービスに自信を持っていても、営業戦略が足りない場合もあります。
そのような時、エンジェル投資家のノウハウや人脈を活用して事業を成功させることも期待できます。
そして、投資家によっては、
追加の運転資金が必要な時にもサポートを受けられる可能性があります。
起業してから上場まで、何のトラブルもなく成長していくことはほとんどありません。
想定外の事態が生じて追加の運転資金が必要となることもあるでしょう。
そのような時、エンジェル投資家としても、
これまでの投資を無駄にしたくはないため、追加出資を応じてくれるケースも多いです。
もちろん、エンジェル投資家の関与はなるべく避けたいという経営者もいるでしょう。
その場合には、
事前にエンジェル投資家と入念に交渉し、後々大きなトラブルに発展してしまわないように契約を締結しましょう。
個人のエンジェル投資家との間では、
双方ともに今後の将来の付き合いを見据えた信頼関係が築けるかが、大事な交渉の内容です。
数字面だけでなく、自身の思いや考えもしっかり伝え交渉を行いましょう。
ベンチャーキャピタル(VC)から出資を受けるためのステップ
上述した個人投資家よりも、
大きな資金調達が期待できる出資先がベンチャーキャピタルです。
会社(ファンド)としての資金提供となるため、
個人投資家よりも提供してもらえる出資額が大きく、
さらに数多くの企業へ出資を経験してきたことから企業に対してのアドバイスやサポートも柔軟に行われるケースもございます。
その反面、会社としての審査となるため、
審査が厳しいことや、投資までのスピードが遅いというデメリットもございます。
企業としては、
いかに事業の魅力や考えなどをわかりやすく伝え、イグジットまでの計画性があると思ってもらえるかが、
出資を受けるまでの「大事なポイント」となります。
ベンチャーキャピタルの探し方
ベンチャーキャピタルと出会う方法としては、
・紹介
・ベンチャー系イベントに参加
・直接コンタクトを取る
・マッチングサービス
の4つの方法があります。
個人投資家と比べ、会社(ファンド)としての出会いであることから、
ベンチャーキャピタルとは簡単に出会えると思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、ベンチャーキャピタルも、
どの事業に出資をしていきたいか、どのような経営者に出資をしたいかなど、
ベンチャーキャピタルそれぞれに出資をしたいと考える企業は異なります。
そのため、直接コンタクトを取り事業計画書を用意していたとしても、
担当者との面談時間をなかなか用意されないなど会うまでに苦労をするというケースも少なくありません。
出資を受けた経験のある知人から紹介を受けることが、最も信頼関係もある状態で話を聞いてもう時間がとってもらいやすいですが、
最近では、ベンチャー系イベントやマッチングサービスを活用する方が多くなっています。
ベンチャー企業向けのビジコンや、マッチングイベントが企画され、
出資者とのコネクションや意見を聞く機会を増やすことで、
自社に合う出資先と出会っていくことをお勧めいたします。
ベンチャーキャピタルから要求される書類を用意する
ベンチャーキャピタルとの交渉の際には主に下記書類の提出を求められます。
・定款
・登記簿謄本
・資金繰り表
(予想損益計算書、予想貸借対照表、予想キャッシュ・フロー計算書なども用意しておくことがお勧め!)
・資本政策案
・直近3期分の決算書
・直近3期分の法人税申告書
・株主名簿
・役員などの略歴
・サービス、製品のカタログ
・事業経歴書
・事業計画書
また、起業したて、起業前段階の事業に関しては、代表者の経歴、スキルなどの提出が求められることもあります。
上記のように、必要資料を揃えるだけでも相当な負担がかかります。
社内で準備を行うとなると、
日常業務に支障をきたすことや、出資をしてもらうためにどのような内容が必要なのか分からないと、時間がかかってしまう場合もございます。
そのため、ベンチャーキャピタルからの出資を受けたいと考えたときには、
ベンチャーキャピタルの投資実務を理解した税理士、公認会計士などのサポートを受けることをお勧めいたします。
ベンチャーキャピタルからの審査・評価をもらう
必要書類提出後、ベンチャーキャピタルはその会社に投資をすることが可能かどうか、審査・評価を行います。
ベンチャーキャピタルは、比較的短期で上場が可能であると判断する事業や企業に投資をします。
他者と比較し、独創的で革新的な新しい取り組みや開発であっても、市場ニーズがなければ意味がありません。
むしろ、他社が市場開拓をした分野であったとしても、成長市場に食い込める可能性が事業計画にあれば、
積極的な出資が期待できるでしょう。
投資契約書の条件交渉を行う
審査・評価の結果、投資について前向きに検討することが決まると、投資額や株価について交渉が行われます。
ベンチャーキャピタルもより自社が有利になるように、
・低い株価で大量の株式を手に入れようとする
・投資契約の中に、起業家による買い戻し条項を含まれる
など、不利になる条件を提示される場合もございます。
したがって、交渉段階でこのような条件を提示された場合は、
流れで契約を交わすことなく、
必ずファイナンスに詳しい公認会計士、税理士などのプロのアドバイスを受けることをおすすめします。
出資を受けるためにしっかりとした事業計画を立てよう
出資を受けるためには、
経営者の素質や夢だけではなく、成功に向けての冷静な計算も必要です。
本澤税理士事務所は、
出資における準備しなければならないことの計画、事業の成功の見通しを数字により分析するなど、
起業家の方々と共に事業の成功に向かって頑張っていくという役割を果たすことができます。
また、出資を受けるために、事業を成功させるために、事業計画書を一緒に作成いたします。
今回は、資金調達の一つの方法として出資について解説いたしましたが、
当事務所は、会社設立に向けて様々な方法から適切な資金調達方法をご一緒に考えることが可能です。
ご一緒に良いスタートダッシュが切れる事業計画を考えましょう!